パーキンソン病と上手く付き合うために知っておきたい治療法・改善法のこと

手術治療

パーキンソン病における手術治療の目的や、改善が期待できる症状について解説しています。手術の詳しい術式と得られる効果、知っておきたい合併症についてもまとめました。

パーキンソン病の手術治療に期待できる効果

パーキンソン病の手術治療パーキンソン病における手術治療は、症状を完治させるための方法ではありません。薬剤療法と併用し、症状を改善していくために用いられます。

対象となるのは、長期間の薬物治療によりウェアリング・オフ(薬の効果が出にくくなる)やジスキネジア(不随意運動)が見られるようになった患者。認知症、高血圧の方には適用されないことがあります。

手術方法は、運動に携わる脳の神経細胞を一部破壊する方法(破壊術)と、電極を埋め込んで刺激する方法(電気刺激療法)が主な治療法となっています。

ウェアリング・オフ、ジスキネジア、振戦、筋固縮、すくみ足などの症状に効果を発揮する場合がありますが、効果の出方には個人差があるようです。

手術治療の術式

■破壊術
パーキンソン病に深く関わっている脳細胞の一部を、高周波電流によって凝固・破壊する治療法。

原則として局所麻酔下で行われますが、脳には痛覚がないので痛みや熱さを感じることはありません。手術が1回で終了し、電極などを身体に埋め込む必要もないのがメリットです。

  • 視床定位脳手術(視床破壊術)
  • 振戦(ふるえ)が目立つ場合に適用。一度消失した振戦は再び現れません。術後、投薬量が2/3~1/2に減少した例もアリ。
  • 淡蒼球定位脳手術(淡蒼球破壊術)
  • 脳の淡蒼球を電気凝固する治療法で、薬剤の効果がほとんどなくなった患者に適用。ジスキネジアに有効で、手術直後から症状が消失。ただし、すくみ足やよだれなどは多くなる可能性も。

■脳深部刺激療法(DBS)
脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation)とは、脳に微小電極を埋め込み、刺激を与えることで症状をコントロールしていくもの。薬剤の効果が現れにくい、副作用が激しい、定位脳手術(破壊術)で効果が見られない患者に適用されます。

脳深部刺激療法では、電気刺激を与えている間だけ効果を得ることができます。刺激の強さや方法を調節するための電極は胸に埋め込んであるため、術後は自由に調節することが可能。薬物治療と組み合わせることで、よりよい改善効果が望めます。

懸念される合併症

パーキンソン病の手術治療は脳に直接刺激を与えるため、まったくリスクがないとは言えません。考えられる合併症には、術中・術後の頭蓋内出血、脳梗塞、感染症、麻酔や薬剤によるショック症状が考えられます。また、稀なケースではありますが、糖尿病や高血圧などこれまで顕在化していなかった症状が手術をキッカケに現れたり、持病が悪化することもあるようです。

ただし、手術によって劇的に症状が改善する場合があるのも事実。2000年から保険適用にもなったため、手術を選択する方も増えています。主治医や家族とよく相談し、慎重に判断するようにしましょう。

 
パーキンソン病の治療・改善ガイド